ピアノの知識10

ピアノの調律とは?|必要な頻度・費用・しないとどうなるか

ピアノの調律とは、弦の張力を調整して音程を整えるメンテナンスです。年1〜2回という頻度の目安、かかる時間と費用の考え方、調律しないとどうなるか、整調・整音との違い、電子ピアノに調律は必要かまで解説します。

ピアマップ編集部

「ピアノの調律って何をするの?」——アップライトピアノやグランドピアノなどのアコースティックピアノを購入すると、「調律」という言葉を耳にするようになります。電子ピアノには基本的に必要ないため、初めてピアノを購入する方には少し分かりにくいかもしれません。

調律とは、ピアノの音程を正しく整え、楽器本来の音を保つためのメンテナンスです。

この記事では、調律で行うこと、必要な頻度と費用の考え方、調律しないとどうなるのか、そして整調・整音との違いまで解説します。

調律とは?弦の張力を整えるメンテナンス

ピアノにはたくさんの弦が張られており、鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き、その振動で音が出ます。この弦は、長く使ううちに少しずつ張力が変化し、音程がずれていきます。

そこで、専門の技術者である調律師が弦の張り具合を調整し、音程を整える——これが「調律」です。ピアノは一度調律したら永久に同じ音が出るわけではなく、時間の経過や温度・湿度の変化によって少しずつ音程が変化していきます。

調律師は専用の工具で弦の張力を細かく調整します。一つの音に複数の弦が使われている場合もあり、それぞれを正確に合わせたうえで、音と音の間隔や全体のバランスも確認します。楽器の健康診断と音のチューニングを同時に行うような作業です。

調律の頻度は年1〜2回が目安

一般的には、年1〜2回程度の調律が一つの目安です。ただし、次のような場合はよりこまめな調律が必要になることがあります。

  • 毎日たくさん練習する
  • コンクールなどで本格的に使用する
  • 購入したばかり/長期間調律していない
  • 温度や湿度の変化が大きい場所に置いている

最適な頻度は、調律師やピアノ教室の先生に相談するとよいでしょう。

なお、新品のピアノにも調律は必要です。新品は弦や楽器全体が安定するまで音程が変化しやすいことがあり、購入直後は販売店から調律の案内があることも多いので、説明に従いましょう。

調律しないとどうなる?

「少しくらい音がずれていても、弾けるなら問題ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、長期間調律をしないと、少しずつ音程がずれていきます。

特にピアノを習っている子どもの場合、正しい音程を耳で覚えることが大切です。音程のずれたピアノで練習を続けると、正しい音を判断する耳のトレーニングにも影響する可能性があります。また、調律は音程だけでなく、鍵盤やペダルなどの状態を確認する機会にもなります。

調律・整調・整音の違い

ピアノのメンテナンスは調律だけではありません。

作業内容
調律弦の張力などを調整し、音程を整える
整調鍵盤・ペダル・アクションなどの動きを調整する
整音ハンマーなどを調整し、音色や音のバランスを整える

「鍵盤の戻りが悪い」「弾き心地が以前と違う」といった場合には、整調が必要になることがあります。調律は、ピアノのメンテナンス全体の一部と考えましょう。

調律にかかる時間と費用

通常の調律なら1〜2時間程度が一つの目安です。ただし、長期間調律していないピアノや状態の悪い中古ピアノでは、より時間がかかる場合があります。

料金は、ピアノの種類やメーカー、地域、調律師、ピアノの状態によって異なります。一般的にはアップライトピアノよりグランドピアノのほうが高くなる傾向があり、長期間調律していなかった場合は追加料金がかかることもあります。具体的な料金は、依頼する調律師や販売店に確認しましょう。

依頼するときは、次の情報を伝えておくとスムーズです。

  • ピアノの種類・メーカーや型番
  • 最後に調律した時期
  • 気になる音や鍵盤
  • 使用頻度、コンクールなどの予定

特に「何年も調律していない」場合は、最初に伝えておきましょう。

中古ピアノは状態の確認を忘れずに

中古のアップライトピアノやグランドピアノを購入する場合は、調律だけでなくピアノ全体の状態確認が大切です。長期間調律されていない、弦やハンマーの状態が悪い、鍵盤やペダルに不具合がある——といった場合、購入後に修理や調整が必要になる可能性があります。

中古ピアノは価格だけでなく、購入後にどの程度メンテナンス費用がかかるのかまで考えて選びましょう。詳しくは中古ピアノという選択肢で解説しています。

電子ピアノに調律は必要?

基本的に、電子ピアノにはアコースティックピアノのような調律は必要ありません。電子的に音を再現しているため、弦の張力を調整する必要がないからです。

「調律の手間をかけたくない」「維持費を抑えたい」という方には、電子ピアノが便利な選択肢になります。ただし、電子ピアノも故障や鍵盤の不具合が起こる可能性はあるため、まったくメンテナンスが不要というわけではありません。電子ピアノで足りるかどうかは電子ピアノで十分?で詳しく解説しています。

まとめ:調律込みで「ピアノの維持費」を考えよう

  • 調律はピアノの音程を整えるメンテナンスで、年1〜2回程度が目安
  • 使用頻度や設置環境によって必要な頻度は変わる
  • 長期間調律しないと音程がずれ、耳のトレーニングにも影響しうる
  • 調律のほかに整調・整音が必要になることもある
  • 電子ピアノには基本的に調律は不要

ピアノは購入して終わりではなく、定期的にメンテナンスすることで、長く良い状態で楽しめる楽器です。アコースティックピアノを自宅に置くなら、購入費だけでなく調律などの維持費も含めて予算を考えておくと安心です。ピアノにかかるお金の全体像はピアノはお金がかかる?も参考にしてください。

よくある質問

Q. ピアノの調律はどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 一般的には年1〜2回程度が一つの目安です。ただし毎日長時間練習する場合や、購入直後、長期間調律していない場合、温度・湿度の変化が大きい場所に置いている場合は、よりこまめな調律が必要になることがあります。
Q. 調律をしないとどうなりますか?
A. 少しずつ音程がずれていきます。特にピアノを習っている子どもは正しい音程を耳で覚えることが大切なため、音程のずれたピアノでの練習は耳のトレーニングに影響する可能性があります。鍵盤やペダルの状態を確認する機会も失われます。
Q. 電子ピアノにも調律は必要ですか?
A. 電子ピアノは電子的に音を再現しているため、弦の張力を調整する調律は基本的に不要です。ただし故障や鍵盤の不具合が起こる可能性はあるため、まったくメンテナンスが不要というわけではありません。