ピアノの始め方8

大人からピアノを始めるのは遅い?現役講師が本音で答えます

「子どもの頃に習っていなかったから無理かも」——そんな不安に現役ピアノ講師が本音で回答。大人ならではの強み、つまずきやすいポイント、長く続けるコツまで、レッスン現場での経験をもとに解説します。

現役ピアノ講師(ピアマップ寄稿)

「子どもの頃に習っていなかったから無理かも」——体験レッスンで大人の方から最もよく聞く言葉のひとつです。

結論から言うと、大人からピアノを始めるのは決して遅くありません。私は大学を卒業後、子どもから大人まで幅広くレッスンを行ってきましたが、大人になってから始めて楽しそうに演奏している方をたくさん見てきました。

今回は現役講師の立場から、「大人からピアノを始めるのは遅いのか?」という疑問に本音でお答えしたいと思います。

結論:プロを目指さないなら全く遅くありません

まず最初にお伝えしたいのは、何歳からでも始められるということです。

もちろん、5歳から始めた人と50歳から始めた人が同じスピードで上達するわけではありません。しかし、

  • 好きな曲を弾けるようになりたい
  • 趣味として楽しみたい
  • 脳トレとして始めたい
  • 昔の憧れを叶えたい

という目的であれば、年齢はほとんど問題になりません。実際、私の生徒さんにも40代、50代、60代から始めた方がいらっしゃいます。

子どもより大人の方が有利なこともある

意外かもしれませんが、大人には大人の強みがあります。

理解力がある

子どもは感覚で覚えることが多いですが、大人は理屈を理解できます。「なぜこの指使いなのか」「なぜここでペダルを踏むのか」を説明すると、すぐに理解して実践できる方も少なくありません。

自分で練習計画を立てられる

大人の生徒さんは「次回までにここまでやってきます」と自主的に進められる方が多いです。実は、上達に最も重要なのは年齢ではなく練習習慣です。

好きな曲がある

子どもは「習わされる」ことがあります。一方で大人は、ジブリ、クラシック、ジャズ、アニソンなど、弾きたい曲が明確です。これは大きなモチベーションになります。

大人の生徒さんがつまずきやすいポイント

一方で、大人ならではの悩みもあります。

完璧を求めすぎる

大人は真面目です。そのため「全然弾けない」「才能がない」と落ち込んでしまう方がいます。

しかし、ピアノは最初から弾ける人はいません。私自身も音大時代まで数え切れないほど失敗してきました。まずは昨日の自分より少し前進できたかを見てほしいと思います。

練習時間が確保できない

仕事や家庭の都合で、毎日1時間練習するのは現実的ではありません。しかし、10分でも15分でも続ける方が上達します。週末にまとめて練習するより、短時間でも楽器に触れる習慣を作ることをおすすめしています。

教室選びは「実績」より「相性」

大人の方が教室を探す際は、「実績」よりも「相性」を重視してほしいと思います。特に体験レッスンでは、

  • 話しやすいか
  • 質問しやすいか
  • 自分のやりたいことを理解してくれるか

を確認してください。音大卒かどうかよりも、長く楽しく続けられる先生かどうかの方が重要です。

教室選びの具体的なチェックポイントは、こちらの記事で詳しく整理されています。

また、「まずは独学で試してみたい」という方は、独学と教室の違いをまとめたこちらの記事も参考にしてください。

まとめ

大人からピアノを始めるのは決して遅くありません。むしろ、

  • 好きな曲がある
  • 自分の意思で始める
  • 続ける目的がはっきりしている

という点では、大人ならではの強みがあります。

もし少しでも興味があるなら、まずは体験レッスンを受けてみてください。ピアノは年齢に関係なく始められる趣味です。数年後、「あの時始めてよかった」と思える日がきっと来るはずです。


執筆:東京都内で子どもから大人まで指導する現役ピアノ講師。ピアマップへの寄稿記事です。

よくある質問

Q. 大人からピアノを始めるのは遅いですか?
A. プロを目指すのでなければ、決して遅くありません。好きな曲を弾きたい、趣味として楽しみたいという目的であれば年齢はほとんど問題にならず、実際に40代・50代・60代からレッスンを始めて楽しく続けている方は多くいます。
Q. 大人には子どもより有利な点がありますか?
A. あります。大人は「なぜこの指使いなのか」といった理屈を理解して実践できること、自分で練習計画を立てられること、そして弾きたい曲が明確でモチベーションを保ちやすいことが強みです。
Q. 忙しくて毎日1時間も練習できません。それでも上達しますか?
A. 毎日1時間の練習は必須ではありません。週末にまとめて長時間練習するよりも、10分や15分でも毎日楽器に触れる習慣を作る方が上達につながります。上達に最も重要なのは年齢ではなく練習習慣です。