講師コラム9

ピアノレッスンで大切にしていること|現役講師に聞く指導方針

ピアノ教室の指導方針は教室選びの重要ポイント。都内で教える現役講師に聞いた「レッスンで大切にしていること」を紹介します。楽しむ気持ち、一人ひとりに合わせた指導、基礎の身につけ方など、教室選びの参考になります。

ピアマップ編集部

「ピアノ教室って、どこも同じようなレッスンをしているの?」——教室を探し始めた方から、よく聞かれる質問です。

実際には、基礎を重視する教室、楽しく弾くことを重視する教室、表現力やコンクールを重視する教室など、教室や講師によって指導方針はさまざまです。月謝や通いやすさだけでなく、「どんな考え方でレッスンをしているのか」は、教室選びの重要なポイントになります。

この記事では、都内でレッスンをする現役ピアノ講師に聞いた話をもとに、講師がレッスンで大切にしている代表的なポイントを紹介します。

何より「音楽を楽しむ気持ち」を育てる

取材した講師がまず挙げたのは、ピアノを楽しむことでした。

「上達には練習が必要ですが、練習が苦痛になってしまえば長く続きません。『この曲を弾くのが楽しい』『もっといろいろな曲を弾いてみたい』という気持ちがあれば、自然とピアノに向かう時間は増えていきます」

技術だけを追いかけるのではなく、音楽を好きになること自体がレッスンの大切な目的だといいます。

一人ひとりの個性に合わせて教える

同じ年齢・同じレベルの生徒でも、楽譜を読むのが得意な生徒もいれば、耳で覚えるのが得意な生徒もいます。

だからこそ、全員に同じ方法で教えるのではなく、生徒の個性や理解度に合わせて指導方法を変えることを大切にしているそうです。こうした姿勢は良い先生に共通するポイントでもあります。詳しくは良い先生とは?でも解説しています。

基礎を丁寧に、理由もセットで

好きな曲を弾く楽しさと同時に、長くピアノを楽しむための基礎も重視されています。

  • 正しい姿勢、手や指の使い方
  • 音符の読み方、リズム、指番号
  • 強弱や音楽記号

そして教えるときは、「なぜそうするのか」まで説明することがポイントだといいます。

「『ここは弱く弾きましょう』だけでなく、『メロディーを目立たせるために伴奏を少し小さくしましょう』と理由まで伝えると、生徒自身が考えながら演奏できるようになります」

自分で考える力と、小さな成長

指示通りに弾くだけでなく、「この曲はどんな雰囲気?」「ここはどんな音で弾きたい?」と生徒自身に問いかけることで、少しずつ自分の表現が生まれてくるそうです。

また、ピアノの上達は毎回分かりやすく現れるとは限りません。

  • 弾けなかった部分が少し弾けるようになった
  • 音が以前よりきれいになった
  • リズムが安定した、楽譜を読むスピードが上がった

こうした小さな変化を見つけて言葉で伝えることが、次の練習への自信につながるといいます。上達につながる習慣は上達する生徒の特徴でも紹介しています。

間違いを恐れない環境と「弾きたい」の尊重

「レッスンでは間違えて大丈夫。むしろ間違えたところには、上手になるためのヒントが隠れています」と講師は話します。間違いを責めるのではなく、「どう練習すれば弾きやすくなるかな?」と一緒に考えることで、安心して挑戦できる環境を作っているそうです。

また、クラシックに限らずJ-POP・アニメソング・映画音楽・ジャズなど、生徒の「この曲を弾きたい!」という気持ちを取り入れる教室も多くあります。基礎を学びながら弾きたい曲にも挑戦できることが、長く続ける秘訣とのことでした。

無理なく続けられるペースを一緒に考える

ピアノは短期間で終わる習い事ではありません。特に大人は、仕事や家庭の事情で毎日練習できないこともあります。

「『毎日必ず練習』という考え方だけでなく、生活に合わせた練習方法を一緒に考えることも講師の仕事です」

子どものレッスンでは、保護者とのコミュニケーションも大切にしているそうです。ただし保護者が練習を細かく管理しすぎる必要はなく、子どもが楽しく続けられる環境を一緒に作ることがポイントだといいます。家庭でのサポートについては保護者へのお願いで詳しく紹介しています。

生徒の目標を一緒に描く

「発表会で好きな曲を弾きたい」「弾き語りをしたい」「音大を目指したい」——目標は生徒によってさまざまです。講師は生徒の希望を聞き、現在のレベルから目標までの道筋を一緒に考えます。目標があると、普段の練習にも取り組みやすくなります。

まとめ:指導方針との相性が、教室選びのカギ

現役講師に聞いた「レッスンで大切にしていること」をまとめると、次のようになります。

  • 音楽を楽しむ気持ちを育てる
  • 一人ひとりの個性に合わせて指導する
  • 基礎を丁寧に、理由もセットで教える
  • 自分で考える力と小さな成長を大切にする
  • 間違いを恐れず挑戦できる環境を作る
  • 生徒の「弾きたい」と無理のないペースを尊重する

教室を選ぶときは、「どんな先生か」だけでなく**「どんな考え方でレッスンをしているのか」**にも注目してみましょう。自分や子どもに合った指導方針の教室に出会えれば、ピアノは「練習しなければならないもの」から、長く楽しめる大切な趣味や特技へと育っていきます。

よくある質問

Q. ピアノ教室の指導方針はどうやって確認すればいいですか?
A. 体験レッスンで「どんなことを大切にしてレッスンをしていますか」と直接聞いてみるのがおすすめです。基礎重視か、楽しさ重視か、好きな曲を取り入れられるかなど、教室によって方針は異なるため、自分や子どもの目的と合っているかを確認しましょう。
Q. 好きな曲を弾きたい場合、基礎練習はしなくてもいいですか?
A. 好きな曲を長く楽しむためにも、姿勢や指の使い方、音符の読み方などの基礎は役立ちます。多くの教室では基礎を学びながら弾きたい曲にも挑戦するバランス型の進め方をしているため、希望を講師に伝えて相談するのがおすすめです。
Q. 毎日練習できなくてもレッスンは続けられますか?
A. 続けられます。特に大人は仕事や家庭の事情で毎日練習できないことも多く、生活に合わせた練習方法を一緒に考えてくれる教室も多くあります。無理なく続けられるペースを講師に相談してみましょう。