練習・上達11

ハノンは必要?|ピアノ基礎練習のメリットと取り入れ方の注意点

ピアノの定番教材「ハノン」は本当に必要?指を均等に動かす練習になるなどのメリットと、初心者・子ども・大人それぞれの取り入れ方、速さより正確さを重視する練習のコツ、やりすぎの注意点を解説します。

ピアマップ編集部

ピアノを習っていると、「ハノン」という教材を使うことがあります。同じような音型を繰り返し弾く練習曲が並んでいるため、「これをやって何の意味があるの?」「ハノンって本当に必要?」「曲を弾いたほうが楽しくない?」と感じる方もいるかもしれません。

結論から言うと、ハノンは指を動かす基礎練習として役立つ教材の一つです。ただし、すべての人に必須というわけではありません。

この記事では、ハノンのメリットと、初心者・子ども・大人それぞれの取り入れ方、そして**「速さより正確さ」を重視する練習のコツ**を解説します。

ハノンとは?定番のピアノ練習曲集

「ハノン」とは、フランスのピアニスト・作曲家シャルル=ルイ・ハノンが作ったピアノ練習曲集です。正式には『60の練習曲によるピアノ・ヴィルトゥオーゾ』として知られています。

音楽的な曲を楽しむというより、指の動きや基礎的なテクニックを鍛えるための練習が中心で、右手と左手で同じような音型を繰り返し弾きながら、指を均等に動かす練習をします。

ハノンを使う3つのメリット

1. 指を均等に動かす練習になる

ピアノでは、指によって動かしやすさが異なります。特に薬指や小指は、他の指に比べて独立して動かしにくいと感じる人もいます。ハノンでは、さまざまな指を使って繰り返し音型を弾くため、指を均等に動かす練習になります。思うように指が動かないときの基礎トレーニングとしても取り入れられています。

2. 指の独立を意識しやすい

複数の指をスムーズに動かすには、それぞれの指をある程度独立させて動かす必要があります。ハノンは、こうした指の動きを意識するきっかけになります。

3. 鍵盤を弾く感覚を作りやすい

同じ音型を繰り返すことで、鍵盤を弾く動作そのものに慣れることができます。指使いや手の位置を意識しながら、基礎的な動きを反復練習できるのも特徴です。

ハノンは初心者や子どもにも必要?

初心者の場合

ピアノを始めたばかりの段階では、必ずハノンを使わなければいけないわけではありません。まずは、

  • 楽譜を読む
  • 正しい姿勢を身につける
  • 指番号を覚える
  • 音符やリズムを理解する
  • 簡単な曲を弾く

といった基本を優先することも多いでしょう。ハノンを使うかどうかは、先生の指導方針や生徒のレベルによって変わります。

子どもの場合

特に幼児は、単純な音型を長時間繰り返すよりも、曲を弾いたりリズム遊びをしたりしながらピアノに慣れることを優先する場合があります。一方で、ある程度ピアノに慣れて指の動きを伸ばしたい段階では、ハノンが役立つことがあります。「何歳だからハノン」ではなく、その子に必要な段階かどうかで判断するとよいでしょう。

大人の初心者の場合

大人の初心者でもハノンは使えますが、趣味で始めたばかりなら何十分も練習する必要はありません。たとえば「ハノンを5分程度+好きな曲の練習」というように、基礎練習と曲を組み合わせる方法もあります。「基礎練習ばかりで楽しくない」と感じるなら、練習時間の配分を先生に相談してみましょう。1日の練習量の考え方は練習時間の目安も参考になります。

ハノンの効果的な練習方法

速さより「正確さ→脱力→テンポアップ」の順で

「ハノンを毎日やれば指がものすごく速く動くようになる?」と思う方もいるかもしれません。しかし、速さだけを追求すると、手や腕に余計な力が入ってしまうことがあります。

正確に弾く → 力まずに弾く → 少しずつ速くする

という順番で練習することが大切です。速く弾くことだけでなく、音をそろえる、リズムを安定させる、力みを減らす、左右の手をそろえる——といった点を意識しましょう。ゆっくり丁寧に弾くハノンにも意味があります。力みを減らす考え方は脱力って何?で詳しく解説しています。

毎日短時間、が続けやすい

毎日必ずやらなければならないわけではありませんが、基礎練習は継続することで効果を感じやすくなります。「短時間でも毎日少しずつ」という取り入れ方がおすすめです。

やりすぎには注意

同じ音型を繰り返すため、つい夢中になって長時間練習してしまうことがあります。手や腕に痛みや違和感がある場合は、無理に続けないようにしましょう。「指を鍛えなければ!」と力を入れすぎるのも禁物です。

ハノンを使わなくても上達できる?

もちろんできます。ピアノの基礎練習には、

  • スケール(音階)
  • アルペジオ
  • ツェルニー
  • バーナム
  • 曲そのものの練習
  • リズム練習

など、さまざまな方法があります。先生によって教材や指導方針は異なるため、「ハノンをやっていないから上達できない」ということはありません。

教室を選ぶ際には、教材名だけで判断するのではなく、基礎練習と好きな曲の練習をどのように組み合わせている教室なのかに注目してみるとよいでしょう。独学で基礎練習を続けるか教室で学ぶか迷っている方は、独学とピアノ教室どちらが上達する?もあわせてご覧ください。

まとめ:ハノンは「目的に合わせて」取り入れる教材

ハノンは、ピアノの基礎的なテクニックを身につけるための便利な教材です。

  • 指を均等に動かす練習になる
  • 指の独立を意識しやすい
  • 鍵盤を弾く動作に慣れられる

といったメリットがある一方、すべてのピアノ学習者に必須というわけではありません。年齢やレベル、目標に合わせて取り入れ、速さだけを目的にせず、正確さ・脱力・音のそろい方を意識して練習することが大切です。

基礎練習の進め方に迷ったら、一人で抱え込まず教室の先生に相談してみましょう。自分に合ったバランスで練習を組み立ててもらえます。

よくある質問

Q. ハノンはすべてのピアノ学習者に必要ですか?
A. 必須ではありません。ハノンは指の動きや基礎テクニックを練習できる便利な教材ですが、初心者や子どもの場合は楽譜の読み方や簡単な曲の演奏を優先することも多くあります。年齢やレベル、目標に合わせて取り入れるかどうかを判断しましょう。
Q. ハノンを毎日練習すれば指が速く動くようになりますか?
A. 速さだけを追求するのはおすすめできません。速く弾くことを優先すると手や腕に余計な力が入ることがあります。まず正確に弾き、力まずに弾けるようになってから少しずつテンポを上げる、という順番で練習することが大切です。
Q. ハノンを使わなくても上達できますか?
A. できます。ピアノの基礎練習にはスケールやアルペジオ、ツェルニー、バーナムなどさまざまな教材・方法があり、先生によって指導方針も異なります。ハノンをやっていないから上達できない、ということはありません。